手外科

手・肘は運動器のなかで最も緻密で繊細な部位です。そのため治療には特別な知識と技術を要します。当院では日本手外科学会認定の手外科専門医が治療に当たります。手・肘でお困りの方はお気軽にご相談ください。
 

▼手指の骨折
手指は細かい動きが求められるので、適切な固定、早期からの動かす練習が重要です。多くは保存治療(手術以外の方法)で対応可能ですが、部位や程度により手術が必要となります。 

 

▼腱鞘炎(ばね指 デケルバン病など)
腱(指や手首を動かすひも状の組織)と腱鞘(腱をおさえるバンド)の間で生じた炎症が原因でおきます。指の付け根や手関節まわりの痛み、指屈伸に伴う弾発現象などが生じます。腱鞘内注射が有効です。

▼手根管症候群
手のつけ根にあるトンネル(手根管)での正中神経の圧迫が原因で生じます。母指から環指のしびれや母指の運動障害が生じます。手の外傷後、更年期の女性、高齢者などに多く生じます。投薬、注射、装具固定などを行います。

▼肘部管症候群
肘にあるトンネル(肘部管)での尺骨神経の圧迫・伸張が原因で生じます。小指、環指のしびれや運動障害が生じます。投薬、固定などを行いますが、筋力低下例では手術が行われます。

▼へバーデン結節 
手指の先の関節の痛み、変形が生じます。投薬、テーピング、注射などを行います。近年では更年期女性症例に対するエクオール(大豆由来のサプリメント)の有効性が示されています。

▼母指CM関節症
母指の付け根の関節の痛み、変形が生じます。投薬、装具固定、注射などを行います。

▼ガングリオン
主に手首の背側に生じます。組織の変性により生じた袋にゼリー状物質がたまった状態です。腫瘍ではありません。違和感や痛みを伴うこともあります。エコーなどで診断し、穿刺を行う場合もあります。

▼キーンベック病
月状骨という手首の骨が壊死を起こした状態です。手首の痛みや動きの制限が生じます。初期であれば装具固定などの保存治療を行いますが、進行した症例では手術を要します。

▼デュプイトラン拘縮
手のひらの膜が硬くなり、手指(主に環指・小指)の伸展制限が生じます。原因は不明ですが、高齢者、糖尿病患者などに多く生じます。進行した症例では手術を要します。

▼三角線維軟骨複合体損傷
手首の小指側の痛みが生じます。外傷や繰り返しの外力の負担でおきます。早期であれば、ギプスシーネや装具の固定が有効です。注射を行うこともあります。

▼上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
手関節を動かす筋の付着部である、肘外側部の痛みが生じます。手関節への負担が原因です。ストレッチ、装具、注射、衝撃波などで治療します。

▼手の先天異常
指が多い、くっついている、短い、動きが悪いなど、生まれつき手の機能や外観の異常を持つ病態です。手術を要する場合は専門施設(成育医療研究センターなど)に紹介させて頂きます。多くの不安を抱えているであろうご両親の心理的サポートも行います。